トラックのブレーキの仕組みや構造について

トラックのブレーキの仕組み


飛行機のブレーキ

 普段トラックを運転していると当たり前についている重要機能でも
日常ではあまり意識しないものというのは割とよくありますよね。
今回はそんな中でも注目度が低そうなトラックのブレーキというものに
ついて構造や仕組みを調べてみました。





ブレーキというもの


【ブレーキの目的や種類】

 ブレーキは、運動・移動する物体の減速あるいは停止を行う装置の総称で
制動装置ともいわれています。
 自転車・自動車・オートバイ・電車・飛行機など、おおむねの乗り物には
搭載されている説明が不要なくらい機能としてはポピュラーなもので
実際にトラックに搭載されているタイプはディスクブレーキやドラムブレーキ
というタイプのものが主流です。

ディスクブレーキ   ドラムブレーキ


【ブレーキの歴史】

 ブレーキは客車や貨車が馬車の技術を転用して始まったという歴史的な経緯から
当初は機械的ブレーキをてこの原理で人が直接操作する手ブレーキが用いらていました。
 初期の自動車用ブレーキというものも馬車からの流用が多く棒を車輪に擦り付けるなど
原始的な機構が多かったが、走行性能が向上するにつれて制動方法が進化して行き
だんだんと実用的な制動力が得られるようになっていきました。
 ちなみに、世界で初となる自動車・キュニョーの砲車はブレーキというものを一切
搭載しておらず初運転で近隣住宅の壁を何度も突き破る事故を起こしているということは
有名な話ですよね。


トラックのブレーキ特性


【フットブレーキ】

フットブレーキ  トラック特有のブレーキとして挙げられるものの1つに、タイヤの
動きを直接止めることで車両を停止させるフットブレーキというもの
があります。
フットブレーキは乗用車にもありますが、その構造はトラックの
ものとは大きく異なります。
 具体的には、トラックの場合はトラックの10倍近く重い場合も
あって運転者の脚力で油圧をかけるだけでは到底止められるものでは
ありません。
 そこで大型トラックはブレーキペダルによって圧縮エアーを操作
することで強力なエアー圧で油圧をかけて制動をおこなうシステムに
なっています。
リターダー  良く大型トラックや観光バスなどが停車した際に「プシュッ」という
音を発する
ことがありますが、これはブレーキを解除した時に圧縮されて
溜まっていたエアーが抜ける為に起こる現象です。
 ちなみに、強い制動力を誇るフットブレーキですが何かの理由でエアーが
なくなってしまった場合はブレーキは全く効かないという弱点も持っているので
運行の際には注意が必要です。


【リターダー】

 リターダーとは排気ブレーキやエンジンリターダーやリターダーの
ことを指す総称で、これらはすべて同じ操作で作動しています。
スイッチを入れておけば走行中にアクセルから足を放すだけで自動的に
効き始めまるエンジンブレーキの効きをサポートするためのものです。

●排気ブレーキ
エンジンの排気管内の弁を閉じることで排気ガスをシリンダー
内部に閉じ込めます。
それによって排気ガス自体が抵抗となりピストンの動きが
鈍くなるので、結果的にタイヤの動きを抑制することが出来ます。

●エンジンリターダー
エンジンリターダーは排気ブレーキと表裏の関係にあるもので
排気ブレーキが作動するとピストンが上死点に行くまでは排気ガスが
抵抗になりますが、上死点から下死点に下るときには圧縮された
排気ガスの圧力によってピストンが押されてしまい、逆に動きを
助けることになってしまいます。
そのため、上死点でシリンダー内の排気ガスを抜いて圧力を下げる
エンジンリターダーという装置が実装されています。

●リターダー
一般的にリターダーというと、この電磁式・油圧・永久磁石式
などのプロペラシャフトの回転に抵抗を加えて制動力を得るものを
指すことが多いです。
強力な制動力が得られる反面、多用するとエアーが不足したり
滑りやすい路面で後輪がスリップする原因にもなりかねます。


まとめ


【他車に転用しない理由】

 リターダーの会社のHPなどを見てもそうですが、トラックの
ブレーキというのは非常にメリットが多そうですよね。
乗用車にその技術が転用されれば事故防止に大きく役立ちそうな
気もしますが、これにはそれなりの理由があります。

●ショックが大きい
リターダーは作動時と解除時に結構なショックがあるので常用として
使うにはとても使い勝手が悪いというデメリットがあります。
つまり、作動時のショックを気にせずに大きなブレーキ能力が必要な
重量物搬送車くらいしか使うメリットがないということですね。

●通常ブレーキで十分
上記のような補助ブレーキが必要な車というのは大きな制動力が
必要となる重量級の車でのみ起こりうることであって乗用車レベルでは
そういう面の問題がなく通常のフットブレーキで十分な制動力を
得ることができます。

●リターダーの大きさ
リターダーというものは乗用車にとっては非常に大きく幅を取るもので
まず、これを搭載する場所が無いことが挙げられます。
無理やり搭載することも技術的には可能と思われますが、室内が狭くなり
車両重量が重くなり燃費が悪くなりとメリットはなさそうです。


【アクティブセーフティ】

 最近の乗用車はブレーキ以外にもアクティブセーフティと呼ばれる
事故が起こる前に未然に車を制動する機能が搭載されています。
 すでに一般的には広く知られているものが多いですが各社の
最新機能の一部を最後に紹介します。

●EBD+ABS
EBDは車両の積載状態に応じて前後輪への制動力を最適に配分する機能で
ABSはタイヤロックを防いで急制動時や滑りやすい路面での車両安定性を
確保する機能で、すでにトラックにも多く搭載されています。

●前輪ベンチレーテッドディスクブレーキ
放熱性に優れたブレーキで、高い制動力を発揮することができます。

●LSDリミテッドスリップデフ
悪路での走行性を安定させる機能です。

ABSのイメージ
ABS

ASRのイメージ
ASR

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