不正軽油の検査・判別方法について

不正軽油を判別するクマリンの検査方法など

クマリン
 最近のガソリン価格の高騰によって全国比較で平均130円を突破した
軽油ですが、トラック業界でも軽油価格の今後の動向が上昇の一途を
たどるという予測を受けてか不正軽油というものがひそかに市場に多く
出回るようになってきているみたいですね。
 しかし、低品質な軽油は即座にトラックの致命的な故障につながる
ことが多いので、今回はそんな不正軽油にだまされないために検査や
判別方法について
まとめてみました。
 ちなみに画像は不正軽油界でおなじみのクマリンです。
不正軽油とは?

【不正軽油の概要】
蒸留温度  不正軽油とは、正規に入手した軽油ではなく

●軽油に灯油や重油を混ぜた混和軽油
●灯油と重油を混ぜて軽油と似た性質にした混合油

などの密造されたもののことで、その目的は軽油に本来課せられている
軽油引取税の脱税することとされています。
 A重油や灯油には不正軽油の検出や摘発を簡単にするために識別剤
としてクマリンという物質が添加されていて、市場に軽油として
出回っているものは濃硫酸や苛性ソーダなどの薬品によって脱色や
クマリンの除去が行われています。

【クマリンの性質】
クマリンのモデル  クマリンとは、桜の葉に代表される植物の芳香成分の一種でバニラに
似た芳香があるほか、苦く芳香性の刺激的な味がします。
 一般的には桜餅の香り成分として広く使われているもので、紫外線を
照射すると黄緑色の蛍光を発することから日本国内に流通する軽油には
軽油識別剤として灯油とA重油などの軽油周辺油種に1ppmの濃度で
添加されています。

【不正軽油の問題点】
 とはいえ、灯油と重油を混ぜたものを自分のトラックの燃料にして
何が悪いんだ?と思われる方も多いのではないでしょうか。
 実は不正軽油の利用はさまざまな方面での問題を抱えていて具体的に
次のような理由などで罰則に当たります。

●作った側
・脱税 → 軽油引取税の脱税目的
・環境汚染 → 製造時に発生する毒性の強い残りカスの所持・不法投棄
・危険物貯蔵 → 多量の石油類(危険物)を無許可で貯蔵
・詐欺罪 → 不正軽油を正規品と偽って販売

●使った側
・脱税 → 軽油引取税の脱税
・環境汚染 → 劣悪な油からの排出ガス
・整備不良 → 故障の原因となり最悪の場合は事故も

不正軽油の判別・検査方法

【不正軽油の作り方】
不正軽油は愛知県警によると

1. 軽油にクマリンを除去した灯油を混和して不正軽油を製造
2. 淡色A重油にクマリンを除去していない灯油を混和して不正軽油を製造
3. A重油や灯油を正規の軽油と偽称
4. 軽油や灯油にBDFを混和して不正軽油を製造
5. A重油や灯油を混和あるいは単体で自動車の燃料として使用

といった作られ方が多いようで、個人でもできてしまうような簡単な
作り方から密造工場が必要なものまでいろいろな種類のものが
あることがわかります。
 このような不正軽油を使わないために判別や検査を行うには
次のような方法があります。

【不正軽油チェッカー】
不正軽油チェッカー  事業者向けに不正軽油チェッカーとして流通している機種があり
燃料油中の硫黄含有量がわかるなど新手の密造手法にも対応していますが
とても高価なもののようで個人レベルで購入するものではなさそうです。

【クマリン検査キット】
クマリン検査キット  検査キットは燃料油中のクマリン含有量を検出するものでクマリンの
除去が行われていない不正軽油に対して有効です。
 高度に密造されたものに対しては効果がないものの数千円程度で
入手可能
で20~30回まで使用できるなど利便性が高いのが特徴。

【不正軽油の特徴】
 不正軽油を一目で見分けることは困難ですが、不正軽油の使用感として

●市場価格と比較して安価
●軽油の色が茶褐色
●泡切れが異常に早い
●燃費が悪くなった
●馬力が落ちた

といった点がポイントとして挙げられるほか不正軽油を取り扱っている
密造業者は

●不審な施設にタンクローリーやトラックが出入りしている
●灯油や重油をトラックに給油しているスタンドがある
●灯油や重油をトラックの燃料に使用している事業所等がある
●素性のわからない者から安価な軽油のセールスがあった
●安価な軽油を使用したことにより車に不具合が起きた

といった点が見分けのポイントとなるようで、このような点を見分ける
ことで不正軽油による被害を未然に防ぐことが可能です。
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