過積載防止対策と責任・罰則など

過積載によるトラブルの防止

 最近は取り締まりが厳しくなってきていますが、それでも後を
絶たない過積載にまつわる事故やトラブル。

 ドライバー側に責任が転嫁されやすい問題で、納得しないうちに
処分を受けた経験があるドライバーも多いことと思います。

 いったい過積載の原因や責任はどこにあるのか、また、自分が
巻き込まれないようにするためにはどうすればいいのでしょうか。
過積載について

過積載による事故
【過積載によって起こりうる問題】
 何tもの荷物を運搬するトラックは、乗用車と比べるとかなり頑丈な
設計になっていますが、それでも限度はあります。

 過積載は、それを考慮せずトラックに定められた最大積載量以上の積荷を
積んで走行することです。悪質な会社になると10t車に推定20t~30tも
積荷を積載する会社もあるとか。

 「実際に走ってみると案外いける」という人もいますが、過積載が車両の
寿命を縮めて事故の原因になるのは言うまでもありませんね。
 具体的には、車両に以下のような問題が発生します。

  • 振動で車軸(ハブ)が破断する
  • クリップボルトが折損して車輪が外れる
  • タイヤが破裂(バースト)する
  • ブレーキが効きにくくなり、フェード現象が起こりやすくなる
  • 旋回性能が下がり、カーブで曲がりにくくなる
  • 重心が高くなるので、車両が横転しやすくなる


無理な積載
【過積載が起こる理由】
 ドライバーにさえ危険な過積載、なぜ起こってしまうのでしょうか?
 理由はいくつかありますが、中でも、最近特に問題視されているのは
荷主の都合による過積載です。

 トラックの追加手配を嫌って、一台に無理やり積んでしまうパターンで
運送会社と荷主の主従関係が強いと、仕事を切られるのを恐れて断れない
ケースがかなり多いようです。


過積載に対する責任

責任は誰に?
【荷主にも注意喚起】
 かつてはドライバーや運送事業者のみが責任が追求されていましたが
上記のようなケースが多発していることから、最近は荷主への責任も
追及されるようになってきています。

 そのため、徐々に過積載は少なくなってきてはいますが、運行中に
発覚した過積載の責任がまず追求されるのは、他でもないドライバーです。

 なので、ドライバーがリスクを回避するためには積み込みの時点で
積荷の重量を把握し、過積載状態を極力防ごうと努力する必要があります。
 いやらしい話ですが、最悪でも「荷主に強要されての過積載だった」
という状態にはもっていきたいですね。


【過積載による罰則や勧告】
 以下に、過積載による罰則をまとめます。

■荷主への罰則等
●過積載車両の運転の要求等の禁止(道路交通法)
荷主等は、運転者に対し過積載となることを知りながら、積載物を売り渡したり、引き渡したりしてはいけません(道路交通法第58条の5第1項)、これに違反した荷主等が、反復して過積載の要求をする恐れがあると認められるときは、警察署長から過積載の「再防止命令」(道路交通法第58条の5の第2項)が出されます。

この、再発防止命令に違反すると6ヶ月以下の懲役または10万円以下の罰金が科せられます。

荷主勧告の発動(貨物自動車運送事業法)違反事業者に対しては、
協力要請書(イエローカード)
警告書(レッドカード)
が言い渡され、貨物自動車運送事業法第33条の規定による過積載違反の行政処分を行う場合、
荷主に対しても過積載運行の再発防止等のための協力要請書を発出します。

※過去3年間に2回、協力要請書を発出した荷主に対して、警告書が発出されます。

 また、国土交通大臣は、貨物自動車運送事業法第64条に基づき、荷主に対して
1.どうしても過積載しなければ、輸送できない依頼をした
2.過積載となることがわかっていながら過積載運行を要求した
などの要求を運転者にした場合、再発防止の措置を執るよう勧告します。


■事業者への罰則等
1.過積載車両に係る公安委員会による指示
過積載運転が行われた場合は、運転者に対して罰則等を適用するとともに、将来における過積載を防止するため、過積載を防止する措置を講ずるべき責任のある使用者に運行管理を改善させる必要があります。
この場合、公安委員会は車両の運行管理の改善を図るため、自動車の使用者に対し、過積載を防止するため必要な措置を執ることを指示します。

2.過積載運転に係る自動車の使用制限処分
自動車の使用者が業務に関し過積載を下命し、又は容認した場合や、上記1.で公安委員会の支持を受けた自動車につき1年以内に再度過積載運転行為が行われた場合には、公安委員会は、自動車の使用者に対し、3ヶ月を超えない範囲内で自動車を運転し又は運転させてはならない旨を命ずることとなります。

上記に基づき、これらに違反した場合は以下の罰則が科せられる事になります。

○自動車の使用制限命令違反(上記の2.の命令に違反した場合)
3ヶ月以下の懲役又は5万円以下の罰金
○自動車の使用制限に関する標章を破損し、汚損し又は取り除いた場合
2万円以下の罰金又は科料
○過積載を下命・容認した場合
6ヶ月以下の懲役又は10万円以下の罰金


運行管理者への罰則
運行管理者の業務についての法令違反があり、かつ、以下のような場合は運行管理者資格者証
の返納命令が発令され、資格が取り消されます。(代務者についても適用されます)

  • 有責の重大事故を引き起こし、多数の死傷者を生じた場合
  • その他社会的影響の大きい事故の場合
  • 過労運転もしくは過積載運行が計画的又恒常的に繰り返して行われていた場合
  • 運転者に対する適切な指導及び監督を怠り恒常的に速度違反が行われていた場合


■ドライバーへの罰則等
過積載を行なうと、荷主や事業者だけではなく運転者自身も違反点数、反則金の他、以下の様な
措置が科せられます。

運転者に対する措置(道路交通法)
  • 自動車検査証の提示
  • 重量測定受認義務
  • 過積載を解消するための応急措置
    (荷物の現場取り下ろし、警察官による通行指示)

運転者に科せられる罰則
過積載の程度

10割以上
5割以上10割未満
5割未満
違反点数

6点
3点
2点
反則金

罰金
4万円
3万円

罰則詳細中に「罰金」とありますが、トラック等の大型車で10割以上の過積載を行なうと違反点数
が6点となるため免許停止処分が課されると共に、反則金という行政処分ではなく6カ月以下の懲役
又は10万円以下の罰金という刑事処分を受ける
ことになります。


過積載は危険な行為であるという認識を

書き方を教える猫
【大きな事故のもとです】
 過積載に対するリスクは上記のとおりですが、発覚して罰則を受ける
くらいならまだマシで、本当に回避すべきなのは事故の危険性です。

 過積載は、大規模な事故を引き起こす可能性をとにかく多くはらんで
いるので、事故を起こしてからではドライバーも会社も荷主も取り返しの
つかないダメージを負うことになります。

 もし、どうしても会社や荷主の都合で過積載が強要される場合は国交省に
通報しつつ退職・転職、というのも視野に入れた方がいいかもしれません…。
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Comment

誤字どうにかして欲しいです。読みづらい
  • 2014/03/23 00:09
  • -
Re: タイトルなし
> 誤字どうにかして欲しいです。読みづらい

コメント&ご意見ありがとうございます!
記事全体を書きなおしてみました。
これからも行列のできるトラック相談所をよろしくお願いします。
  • 2014/03/25 17:27
  • トラック相談所
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  • 2015/05/30 03:59
  • -
過積載で確か20年位前に千葉県の成田の方で10トン積みのダンプカーの荷台に鉄板を貼り三倍位の過積載で約30トンの土砂を積んで大型車通行禁止の踏切を通ろうとして立ち往生したところに電車が衝突して電車の運転士と乗客が死亡する痛ましくそして悲しい事故が有りました。
  • 2016/09/11 10:30
  • 通りすがり
  • Edit
乗客が死亡したのは間違いでした死亡したのは電車運転士一人で乗客が65人が負傷しました。
  • 2016/09/11 10:45
  • 通りすがり
  • Edit
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