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【運賃UPも】過積載・過労運転の強要を防ぐ荷主勧告制度とは?

荷主勧告制度に関する基礎知識と罰則について

 無理な納期に間に合うべく、睡眠時間を削ったり、どうにか
間に合うためにスピード違反の速度で走ってしまったりという
ドライバーも少なくないトラック業界。そんな法律と顧客の間で
板挟みの状況を改善させるような制度があるのはご存知でしょうか。

 それが「荷主勧告制度」。イマイチ聞きなれない言葉ですが、
トラック業界に携わる人はぜひ知っておきたいものなので、
制度の概要と現段階での問題点をまとめてみました。



荷主勧告制度って何?

【荷主勧告制度とは?】
運転2  さて、荷主勧告とはいったいなんなのでしょう。
概要としては運送業がより安全で、ドライバーや運送会社への
圧力が過酷になりすぎないための制度のこと。法令では以下の
ように記載されています。

■貨物自動車運送事業法第64条1項

国土交通大臣は、(中略)当該命令又は処分に係る違反行為が荷主の指示に基づき行われたことが明らかであるときその他当該違反行為が主として荷主の行為に起因するものであると認められ、かつ、当該一般貨物自動車運送事業者等に対する命令又は処分のみによっては当該違反行為の再発を防止することが困難であると認められるときは、当該荷主に対しても、当該違反行為の再発の防止を図るため適当な措置を執るべきことを勧告することができる。

 つまり、運送会社やドライバーが依頼人・会社(荷主)の要望
により交通法を違反した際、荷主に対して問題解決にむけた対策
を求める
制度のことですね。


どうしたら違反になるの?

【違反とされるケースについて】
過積載  それでは、この制度はどこからが「違反」としてみなされてしまう
かを見ていきましょう。

1)運転者の過労運転を防止する為に必要な措置義務違反(法第17条1項)
2)過積載による運送の引き受け、過積載による運送を前提とする事業用
自動車の運行計画の作成及び事業用自動車の運転者その他の従業員に対する過積載運行の指示(法第17条2項)
3)事業用自動車の運転者の最高速度違反
(法第17条3項(貨物自動車運送事業輸送安全規則第10条1項の違反であり、道路交通法第22条に係るもの)

*課長通達の後、『トラック運送業における燃料サーチャージ緊急ガイドライン(平成20年3月14日、国土交通省)』にて、運送事業者が燃料サーチャージ制を導入せず、かつ法26条の運賃・料金の変更命令が発動され、しかしながら同命令を遵守しなかったが為に法第33条1項に基づき処分され、かつ命令非遵守が荷主の指示により行われている場合、荷主勧告制度の対象になると規定されている。

  つまりは、「過労運転を強要させた」「過積載をさせた
無茶な納期で運ぶことを強要させた」「燃料サーチャージの導入を
許さなかった
」という点がダメってことですね。


違反したらどうなるの?

【勧告までの段階別措置について】
逮捕  さて「違反」の基準がわかったところで、破った際にはどういった
罰則が待っているのかをみていきましょう。

 荷主勧告制度というくらいなので、主に行政から以下の様な順番で、
3回連絡が来ます。

1:一般的内容の要請書(改善への協力を求めるもの)
    ↓
2:警告的内容の強力要請書(改善に対し十分な配慮を求めるもの)
    ↓
3:荷主勧告書(状況に対し具体的な改善を強く求めるもの)

 また、過積載に関しては道路交通法第58条違反に該当。
再発のおそれがあると判断された場合には警察所長から「再発防止命令」
が出されます。しかし、それにも反した場合には6ヶ月以下の懲役または
10万円以下の罰金
が科せられてしまいます。

 さらに、万が一ドライバーが事故を起こしてしまった場合には、
そんな状況で運転させたとして事故後のは信用の低下は免れませんし、
場合によっては業務停止処分となることもあります。


なにが問題になっているの?

【一度も荷主勧告が行われていない?】
問題  厳しいスケジュールで働くドライバーや運送会社にとって、救世主の
ように思える制度ですが、大きな問題を抱えています。

 実はこの制度、施行からいままで、勧告までいったケースは
一度たりともありません。その理由としては、勧告までに2回の通達を
おこなう必要があり、加えて『環境が改善されたか否か』というのは外部
からはわかりづらいため。

 ただ、それを受けて国交省では法改正にむけて動きを見せています。
現在公表されている改正案では、通告なしで勧告できるということで、
いままで通告止まりで何もない…という点は改善されるかもしれませんね。
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Comment

うんうん
過積載、ありますね。

荷主もそうだけど、会社も言わない、言えない そんな状態で。

運賃を下げろとか言われた時は、よその運送屋に頼んでって言いました。

時代は変化してます。国道にある軸重計は結構正確に出るようで、知人の会社は悪質で3枚の写真と警告書が送られてきました。
  • 2013/07/21 05:52
  • 新里
  • Edit
Re: うんうん
> 過積載、ありますね。
>
> 荷主もそうだけど、会社も言わない、言えない そんな状態で。
>
> 運賃を下げろとか言われた時は、よその運送屋に頼んでって言いました。
>
> 時代は変化してます。国道にある軸重計は結構正確に出るようで、知人の会社は悪質で3枚の写真と警告書が送られてきました。

コメントありがとうございます!
過積載は荷主が関与している場合は解決が難しいですよね。
強要に対しての法制度は一応整ってはいるものの、機能は
していない状態ですし、今後の取引のことなども考えると…。

荷主と国交省との板挟み状態で、なかなか厳しい時代だと思います。
  • 2013/07/26 10:22
  • トラック情報
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