【原因・対策は?】フォークリフト作業中に起きた事故の事例を教えて!

フォークリフト運転中に発生した事故の事例や原因、対策など

 毎日の作業となるとつい忘れがちですが、物流や運送業は
機械を扱う上に荷物が重かったり、高所での作業があったりと
一歩間違えれば怪我をしかねない職種です。

 特に、フォークリフトの運転にあたっては、操作が簡単だからと
油断しやすく、悲惨な事故は後を絶ちません。そこで今回は、
実際に起きた事故の事例を参考に原因や対策をまとめてみました。
フォークリフトの事故事例について

【フォークリフト事故見出し一覧】
衝突事故  さて、フォークリフトの事故事例ですが、細かいところまで
紹介していてはきりがありません。

 そこで、今回はフォークリフト事故で原因となりやすい4つの
過失をピックアップし、まとめてみました。

  1. パレットからの転落事故
  2. 人との接触事故
  3. 荷崩れによる事故
  4. フォークリフトの転倒事故


1.パレットから人が落ちた事故

【フォークリフトのパレットから転落】
パレット転落  まず、フォークリフトのパレットに人間が乗り、転落事故と
なったケースをみてみましょう。

 移設作業の初日、X社の職長Aと同僚の作業者B~Dの4人は、まず、既設フロアと増設フロアを仕切っていたブルーシートを取り外した。その後、既設フロアで生産設備を解体し、これを増設フロアに移動する作業を行った。

 1日の作業を終えて現場を去ろうとしたとき、Z社の担当者Eから「その日の作業を終えたらブルーシートを元通りにつり下げておくように」との指示があった。そこで、A~Dは、現場付近にあった作業台(パレットの周囲を手すりで囲ったもの)をフォークリフトで持ち上げ、ブルーシートのつり下げ作業を行うことにした。BとCが作業台に搭乗し、Dはフォークリフトの運転を、Aは作業の指揮を行った。

 ブルーシートのつり下げ作業を終えて、作業台を降下させたとき、作業台がブルーシートに引っかかったので、Dがフォークリフトを後退したところ、作業台が傾いて落下し、BとCは作業台とともに4mの高さから墜落した。

 この事故は、高いところにブルーシートを吊り下げるため、
フォークリフトのパレットに乗った作業員が落ちてしてしまったと
いうものです。原因は、次のように考えられています。

1.設作業期間中のブルーシートつり下げ作業もZ社の担当者が直接X社の職長に指示したため、Y社はこのことを認識しておらず、Y社がX社に示した計画書にはブルーシートのつり下げ作業は含まれておらず、高所作業に必要なローリングタワーや高所作業車を用意していなかった。

2.足場を組み立てる、ローリングタワー又は高所作業車を使用する等の措置を講じないまま、作業台をフォークリフトのフォークに載せて持ち上げ、高所作業を行った。

 つまり、事前に知らされていなかった高所作業に対応しようとした際に
起きた事故ということですね。

 この事故に対して講じられた対策は以下のとおりです。

1.発注者と元請との連絡調整を十分に行い、安全な計画を立て作業を行うこと

2.高所作業を行うため必要な措置を講じた上で高所作業を行わせること

 この対策からみるに、必要となる作業は事前に連絡をし、急に追加作業が
入った場合は、必要な機械・設備の確認の徹底
が大事ということですね。


2.人をひいてしまったケース

【人身事故の事例】
人身事故  次は、フォークリフトで人をひいてしまったケースをみていきましょう。

 当日は、B主任の指揮のもと被災者A及び同僚のCがそれぞれカウンターバランスフォークリフトを運転し、倉庫内で表面処理切板製品の仕訳けをし仕訳け場所から約30メートル離れた仮置場まで搬出する作業を行っていた。主としてAは4.5トンフォークリフトを運転して仕訳け作業を、Cは13トンフォークリフトを運転して仮置場まで搬出する作業を行っていた。

 Aは、仕訳け場所にトラックで運搬されてきたパレット荷の表面処理切板製品(重量1個約3~5トン)を卸すよう指示を受けたため、仕訳け場所から北に約25メートル離れたところに駐車していたフォークリフトに乗り換えるため、約3メートルの高さに積まれた製品の陰から、仕訳け場所北側の幅約7.9メートルの通路に出たところ、空車で進入してきたCの運転する13トンフォークリフトの右側面に接触し巻き込まれた。このときCの運転するフォークリフトの速度は3km/h程度であった。

 災害発生場所で制限速度は、空車、実車の場合いずれも8km/hと定めていた。

 Aは、フォークリフトの運転経験年数は19年5ヵ月、Cは、23年である。

 この事故は、死角である荷物の影から、通路に出た途端、フォークリフトに
ぶつかってしまった
という例です。いたましいことに、被害者の方は亡くなって
しまいましたが、事故当時、フォークリフトの速度はわずか時速3キロ程度。
それほどスピードを出していなくても、重大な事故に繋がってしまうという
教訓が含まれています。

 また、この事故の原因としては、以下の点があげられています。

1.周囲の安全を十分に確認せず、横断しようとした。

2.フォークリフトの視界に死角もあり、歩行者が見えにくく気づかなかった。

3.車両の通行する通路と人の通路とが十分に区分されていなかった。

 フォークリフト用と人用の通路が分けられていなかったという設備の
不備もありますが、安全確認を怠っていたという過失が大きいでしょう。

 これに対しての対策は、次のように講じられています。

1.車両の通行する通路と人の通路を分離し、関係作業者に徹底する。

2.フォークリフトの進入を容易に関係作業者が認識できるように、回転式警告灯を装備する。

3.フォークリフト運転者に対して、安全運転についての再教育を実施する。

 事故当時、フォークリフトを運転していた方は、フォークリフト暦23年の
ベテランだったそうです。そんな方でも事故を起こしてしまうケースがある
ということで、日々の安全運転に対する心がけの大切さを感じますね。


3.荷物が落ちた事故

【フォークリフトの荷崩れによる事故】
荷崩れ  次は、フォークリフトの荷崩れによる事故事例をみていきましょう。

災害が発生した事業場は、アルミサッシ製造工場の構内下請けとして作業者28名(うちパート作業者12名)でサッシ素材の梱包、出荷等を主に請け負っているものである。

 梱包場所において請け負っている作業の内容は次の手順のとおりである。

[1] 押出機により製造され後処理された長さ4~5mのアルミサッシ素材を金属性パレット(長さ4.5m、幅0.7m、高さ0.7m)に入れ、クレーンにより集積場所へ運搬し、パレットを4段積みにする。
[2] フォークリフトによりパレットを素材梱包場所へ運搬する。
[3] 素材をビニールで梱包する。
[4] 梱包された素材が入っているパレットをフォークリフトにより出荷場所へ運搬する。
[5] パレットをフォークリフトによりトラックへ積み込む。

 [1]の工程の中で端数となったサッシ素材の4段に積まれたパレットを、[2]の工程の梱包、出荷するために設置した4段積みパレットの奥へフォークリフトにより移動する作業が生じ、災害はこのときに発生した。

 奥へ移動設置するためには、手前に設置された4段積みパレットをいったん横へ移動させることが必要なため、フォークリフトにより積載し、後進して、その後前進させたところ、梱包のため不良品の素材を片付けていたパート作業者を前方に発見し、フォークリフト運転者が急ブレーキをかけた瞬間、フォークに積載していた最上段のパレットが前方へ落下し、パート作業者に激突した。

 この事故は、進路方向に人がいたため急ブレーキをかけた際、
パレットが崩れ、パート作業員にぶつかった
というものです。

 この事故の原因としては、以下の点があげられています。

1.4段積みパレットの重量は下段から95kg、130kg、30kg、130kgと重心が高く、しかもフォークの根元までパレットが入っていない不安定な状態であったこと

2.フォークリフト作業範囲へほかの作業者が立ち入ったこと。

3.前方に、ほかの作業者を発見したため急ブレーキをかけたこと。

4.フォークリフトとの接触防止のための誘導者を配置しなかったこと。

5.端数となった素材の整理作業は通常作業ではなく、このための作業手順が確立されていなかったこと。

 フォークリフトの運転手は、重心を考慮せずに危険な積み方をしたこと、
荷物がぶつかった人は、フォークリフトの作業範囲に入ったことに対し
責任を問われています。

 この事故への対策は、次のような案が講じられています。

1.フォークリフトの荷の積載にあたっては、偏荷重にならないように、荷の積み方、荷の重心位置を的確に決めて行うこと。

2.フォークリフトの運転においては、急発進、急停止、急旋回等は荷くずれを起こしやすいことに留意すること。

3.フォークリフトの作業範囲内にほかの作業者がいる場合は、誘導者を配置してこの者に定められた合図を行わせることにより接触の防止を図ること。

4.作業計画を決めるにあたっては、通常作業のみならず突発的、臨時的な作業についても決めておくこと。

5.フォークリフト運転者、パート作業者等に対し、随時、作業の変化等に対応するよう安全教育を実施すること。

 つまり、荷物を積む際は重心位置を考え、正しい積み方を徹底する必要があります。
加えて、フォークリフト作業をする際に別の作業者が居る場合は、誘導する人を配置し、
接触事故をおこさないための配慮をしましょうということですね。


4.フォークリフトの転倒事故

【フォークリフトの横転による事故】
横転  では最後に、フォークリフトの横転による事故についてみていきましょう。

 災害発生当日、職長Aおよび作業者BとCの3人は、工事現場に搬送する大型の掘削機械をトラックに積み込むための作業を資材置き場で行っていた。午前中は掘削機械をトラックの荷台に乗る大きさに解体し、午後、解体した機材を積み込むことにした。しかし、資材置き場に常備されているフォークリフトが他の作業で使用されていたため、敷地内の本社事務所のフォークリフトを借りることになった。

 そこで、AはBにフォークリフトを取りに行くよう指示し、Bは本社事務所でキーが挿入されたままのフォークリフト(最大荷重3t)を運転して資材置き場まで移動中、建物の角で右折したところ、フォークリフトがスリップし、転倒した。Bは運転席から投げ出され、転倒したフォークリフトのヘッドガードの下敷きとなった。Bは病院に搬送されたが、死亡した。

 Bは、フォークリフト運転技能講習を修了しておらず、AもBがフォークリフト運転の資格を持っていないことを知っていた。

 また、転倒したフォークリフトは、毎朝の作業前にエンジンオイルと冷却水を点検していたが、タイヤはすり減っていて溝がなかった。さらに、月例検査、年次検査(特定自主検査)は実施されていなかった。

 この事故は、フォークリフトで移動中に、カーブでスリップし横転、
運転手が下敷きとなり死亡した
ケースです。

 この事故の原因としては、以下の点があげられています。

1.Aは、Bがフォークリフト運転技能講習を修了していないことを知りながら、Bにフォークリフトの運転を指示した。

2.転倒したフォークリフトを毎朝、作業前に点検していたが、タイヤがすり減っていて溝がないなど整備が適切でなかった。また、月例検査、年次検査(特定自主検査)を実施していなかった。

3.フォークリフトにキーが挿入されたまま誰でも使える状態で置いていた。

 無免許の運転は論外ですが、月例検査、年次検査の実施を徹底を忘れてはいけません。

 この事故に対しては、次のような対策が講じられました。

1.フォークリフトの運転は、資格者に行わせること。

2.フォークリフトについて、月例検査および年次検査(特定自主検査)を実施するとともに、作業前の点検を適切に行うこと、また、点検、検査の結果、異常を認めた場合は、補修整備した後に使用すること。

3.運転者がフォークリフトを離れるときは、必ずキーを抜き、確実に保管し、無資格者が運転することのないようにすること。

 無免許の人が運転しないよう、周囲の人間は鍵などの管理を徹底するべきですね。


もっと知りたいフォークリフトの事故事例

【厚生労働省による情報の開示について】
読む人  さて、いかがでしょうか。これらの事故はまだまだ氷山の一角。
残念ながら、この他にもいたましい事例は数多くあります。

 もし、より多くの事例を知りたい方は、内閣府厚生労働省がフォークリフトや
トラック、その他重機を扱っている際の事故事例を公開していますので、
そちらをご覧になってみてください。

 より多くの事故を知り、対策を知ることで、事故を未然に防ぎたいですね。

○厚生労働省 職場のあんぜんサイト
http://anzeninfo.mhlw.go.jp/index.html

 また、他の重機などの操縦で起きた事故を知りたい方は、
以前特集した記事をまとめていますので、次のURL先をご覧ください。

○事故事例集
http://torack7.blog.fc2.com/?tag=物流事故事例集


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