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トラックで起きた事故の事例集から、原因と対策を確認したい!

トラックの運転中に発生した事故の事例や原因、対策など

 ほぼ毎日発生している交通事故。国土交通省の発表によると、
平成23年に起きたトラックの事故は、追突事故だけでも409件に
及びます。

 もちろん、横転や物損などの他の事故を合わせると、その数は
更に増すことになりますね。ただ、事故のなかには原因を知っていれば、
対策を講じて未然に防げたものもあったでしょう。

 そこで今回は、トラック事故の事例からみる原因や対策
まとめてみました。


トラックの事故事例について

【トラック事故見出し一覧】
追突事故  では、さっそくトラック事故の事例をみていきましょう。
事故の種類は細かく見ていくと様々ですが、今回は
代表的な事故原因による事例を挙げていきます。

  1. 荷物積み下ろしの際に発生した事故
  2. 居眠り運転による事故
  3. 過積載による事故
  4. 後退(バック)時の事故


1.荷物積み下ろしの際に起きた事故

【荷下ろし時に荷台から転落】
荷台から転落  まずは、荷物を下ろす際に荷台から転落した例をみていきましょう。

 災害発生当日、葦簾(よしず)を運搬してきた10tトラックが到着したので、Z社の社長、臨時に雇用された作業者Aおよびトラック運転手の3名で、トラックの荷台に縦方向3列、横方向3列に積まれた葦簾の束(1束が高さ約2.5m、幅約3.5m、重さ30kg)を下ろし、倉庫に搬入する作業を開始した。

 社長もAが一人で荷台の上の葦簾を下ろしていたのを見かけ、指示した役割分担と違うので近づいたところ、Aは「早く作業を終わらせたい」と社長に告げた。社長は一言「危ないよ」と注意し、そのまま事務所に入ろうとした。

 その直後、「あっ」という声がしたので、社長が振り返ると、Aが荷台に積まれた葦簾の上から、バランスを崩して地上に転落するのが見えた。

 Z社では、Aのために保護帽を用意していたが、Aにこれを着用させていなかった。なお、Z社では、葦簾の運搬や選別をさせるために臨時に雇用した作業者に対して安全衛生教育を実施していなかった。

 この事故は、荷台の上の荷物を下ろす際、3~4mほどの高さに
なるのにも関わらず、保護具を付けていなかった作業員が荷台から
転落
してしまったというものです。

 この事故の原因は、次のように考えられています。

1.作業者に保護帽を着用させずに、危険な作業に従事させたこと

2.社長が指示した役割と違う作業を黙認したこと

3.作業者に対し安全衛生教育を行っていなかったこと

 つまり、作業を早く終わらせたいという理由で、指示外の仕事をした作業員を
社長が黙認したうえに、安全教育と保護具の着用を怠ったために起きた
事故ですね。

 この事故に対して講じられた対策は以下のとおりです。

1.トラック荷台から荷下ろしする場合は、作業者に保護帽を着用させること

2.作業者に対し作業分担等を明確に指示するとともに、危険な行為を行ったときはすぐ止めさせること

3.作業者に対し安全衛生教育を行うこと

 つまり分担・指示した作業以外を作業員がおこなった際は
注意だけに留めず、中止させることが必要です。

 もし、作業員が事故にあった場合、指導者の指示でなかった場合でも
「黙認した」として責任が問われてしまいます。


2.居眠り運転の事故

【居眠り運転の事故事例】
居眠り運転  次は、居眠り運転により事故を起こしたケースをみていきましょう。

 平成21年8月4時20分頃、岩手県内において、トラックが高速自動車国道(制限速度80km/h)を約80km/h で走行中、路側帯で右側後輪のタイヤ交換をしていた2人をはねたものである。トラックにはねられた2人は全身を強く打ち、間もなく死亡した。

事故当時、当該運転者は、オートクルーズコントロールを使用し、居眠り運転状態であった。被害者2人はタイヤ交換中に発炎筒をたき、ハザードランプを点灯させ、家族が赤色灯で後方車両に危険を知らせていた。

 事故は、居眠り運転していたトラックが路側帯でタイヤ交換をしていた
人をはねてしまった
という事故です。
 被害者側は、発煙筒を炊き、ハザードを点灯させ、別の人間が背後で
赤色灯で後ろの車に存在をアピールしていました。

 しかし、居眠りをしていたドライバーはこれに気づかず事故を
おこしてしまったのですが、その原因とはいったい何なのでしょうか?

1.眠気を感じていたにもかかわらず、休憩をとらずに運行を続けていた

2.連続運転時間が4時間以上であり、過労状態であった

3.早朝にオートクルーズコントロール機能を使用した

 オートクルーズコントロール機能は本来、運転操作の一部を支援するもので
深夜・早朝の使用は禁止されていました。しかし、このドライバーは眠気を
感じてからオートクルーズコントロール機能を使ったと証言しています。

 ここから読み取れるのは、この機能に対して誤った認識を持っていたと
いうことです。

 そして、この事故の対策は次のように考えられています。

1.運転中に眠気を感じたときは、休憩をするか、睡眠をとる。

2.運転者は、オートクルーズコントロール機能の危険性を十分に理解し、特に、夜間・早朝などにおいて、眠気を感じた時は絶対に使用しないようにする。

3.車線から外れたり、ふらついたりした場合に警告する装置をつけた車両を導入する。

 また、事故を起こしたドライバーの所属していた事業所は、
連続運転時間が4時間を越していたため、改善するよう通告がありましたが、
その気配が見えなかった矢先に起きた事故でした。

 「荷主が」「燃料代の高騰が」「競合他社が」と、様々な言い訳は
できますが、事故を起こしてしまったら全ての信用が失われます。
そうなった場合の損失を考えると、やはり行政に指導された通りの
運行管理を徹底していきたいですね。


3.過積載が原因となる事故

【過積載による横転、火災事故】
過積載の事故  次は、過積載のトラックが横転、火災事故となった事例をみていきましょう。

当該運転者は8時に乗務前点呼を受けた後、8時30分に出庫した。その後、化学工場において、硫黄が含まれている肥料の荷積みを行い、再び出発した。

当該事故現場となったT字交差点の手前約300mにてブレーキの効きが良くないことに気がつき、センターブレーキで減速を行ったが止まらず、右折した際に道路左側へ横転、火災となった。

荷積みをした場所から当該事故現場までは、山間部であり、上り下りの勾配(山間の頂上から事故現場まで13km)が続いていた。また、当該事故現場は下り勾配のT字路であった。

 この事故は、過積載のトラックが右折しようとした際に重心が崩れ横転し、
火災
がおきたというものです。

 この事故の原因としては、以下の点があげられています。

1.過積載の危険に対する認識不足

2.フットブレーキを多用した運転によるベーパーロックが生じた

3.積載量の確認不足

 ドライバーの過失は、積載量が規定値を超えるにもかかわらず、
運行管理者に連絡せずに積んでしまったうえに、坂道でのブレーキの
使い方が悪く、ブレーキが効かなくなってしまったこと
と考えられます。

 また、対策としては次の点があげられています。

1.積載による運行はせず、急遽積載量が規定値を越えてしまいそうな場合は運行管理者に連絡し、指示を仰ぐ。

2.アップダウンのある区間においては、フートブレーキとエンジンブレーキ等の補助ブレーキを併用する。

 荷物を積む段階で想定していたよりも荷量が多くなってしまった場合は
独断で動かずに、管理者への確認が大事、ということですね。


4.後退(バック)時の事故事例

【構内で起きたバック事故】
シャッター  では最後に、後退中に発生した事故事例をみていきましょう。

 運転手Aは、トラックの運転も3年目となり、仕事にも慣れてきたところであった。

 事故発生当時、いつものように宅配を終え、翌日の配達の荷物をK社に取りに行ったところ、いつもより駐車している車両が少なかった。Aは「今日は空いているから、一発でホーム着けできる」と思い、バックミラーを見ながら配送センターのホームへバックした。

ホームが近づいたため、減速しようとしたそのとき、運転していた車の後ろ側で、大きな衝撃があった。慌てて車を停車させ、運転席から降りて後部を確認すると、トラックの荷台がセンターの半開きとなっていたシャッターと、衝突していた。

 この事故は、バック中に後ろにあったシャッターと衝突したケースです。

 この事故の原因としては、以下の点があげられています。

1.馴染みの場所であり、構内が空いていたことから緊張感がかけていた。

2.死角となる後部を事前に確認していなかった。

 慣れから来る油断による確認不足が生んだ事故ですね。

 この事故に対しては、次のような対策が講じられました。

1.バックする前に、トラックの後ろに回って、安全を確かめる習慣をつける。

2.同乗者または関係者に誘導してもらう。

3.急にバックするのは避け、ブザーを3~4回ならした後でバックする。

4.バック時のスピードは人が歩くくらいの速度で、不安を少しでも感じたら停車する。

 大型トラックの場合は後方の死角が広く、運転席からは真後ろの状況が
まったく見えません。また、バックミラーやサイドミラーのみの確認だけでは
不十分なので、一度車を降りて荷台後ろ側へ回り、障害物などがないことを
確認しましょう。


事故事例をもっと知りたい!

【その他重機などの事故事例】
図書館  いかがでしょうか。トラックの事故とひとくくりにしても
その原因・対策は多岐に渡ります。

 また、トラック以外の乗り物でも様々な労働災害は発生しており、
対策の周知が必要とされています。

 もし他の重機などの操縦で起きた事故を知りたい方は、
以前特集した記事をまとめていますので、次のURL先をご覧ください。

○事故事例集
http://torack7.blog.fc2.com/?tag=物流事故事例集


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