コンクリートミキサー車
- Day:2012.01.15 17:08
- Cat:トラック豆知識
- Tag:特装車コンクリートミキサー車

「コンクリートミキサー車」。
中にコンクリートが入っていることはわかりますが、何故回っているのか、どんな構造しているのか。ふと思えば、よく知らないなと思いました。
ということで、今回は「コンクリートミキサー」について調べました。
トラックミキサ
- 「トラックミキサ」とは、荷台部分にミキシング・ドラムを備えた貨物自動車(トラック)のこと。 「トラックミキサ」の他に「ミキサー車」「生コン車」とも呼ばれます。
- 走行中に荷台上で可動する機構を搭載し、駆動軸をエンジン回転軸から分岐させるなどの特別な構造を持つため、特殊用途自動車(8ナンバー車)である。
- 製造工場(「バッチャープラント」や「生コン工場」と呼ばれる)で作られた生コンクリートを回転可能な円筒形の容器にいれ、走行中もかきまぜながら輸送することができます。
専門的には「アジテータ・トラック」「トラック・アジテータ」「移動式ミキサ」などど呼ばれています。
※一般社会では「ミキサー車」と呼ばれることが比較的多く、土木・建築などの業界や官公庁では「アジテータ」と呼ばれる傾向 があります。
ドラムを回す理由
上記でかいた通り、容器を回線させコンクリートをかき混ぜながら運びます。
かき混ぜるのはコンクリートが固まらないようにと思っていたのですが、コンクリートは練ってから、固まり始めるまでに数時間かかり、さらに固まりはじめから固まり終わるまでに数時間以上かかり、完全に固まるまでは数週間かかります。
生コンクリートは輸送中でも適度にかき混ぜなければ、比重が大きく異なる水とセメントと砂利が移動中の振動で分離し、均一でなくなってしまいます。
なので、かき混ぜながら輸送する理由は「コンクリートが固まらないため」ではなく、「コンクリートが分離しないため」だそうです。
構造

生コンクリートを積載するための円筒状の容器。
走行中も常に回転し続けて骨材や水の分離を防ぎ生コンクリートを均質に保ちます。
内部には螺旋形のプレートがついていて、生コンクリートを積む時は、車両後方から見て左方向に回し、下ろす時は逆回転します。
ドラム混合容量は2t車から10t車程まであり、両端部にベアリング部があります。

車両後部上方にある、生コンクリートの投入口。
最近では品質確保のため運搬時はカバーをかけることが多いそうです。
【シュート】
生コンクリートを目的の荷卸し位置へ導くための桶。
左右に回転する他に上下動作も可能です。
【水タンク】
荷降し後に、ドラム、ホッパ、シュートを洗浄するための水を貯蔵するところ。
容量は通常200ℓ。
【レバー】
ドラムの回転方向および回転速度を調整するための操作レバー。
車両前方へ向かって倒せば、正転(攪拌)し、後方へ倒せば逆転(排出)します。
小さく倒せばゆっくり回転し、大きく倒せば早く回転。一杯まで倒してもなお攪拌速度や排出速度が不足する場合は 縦に動かしてエンジン回転を高めることで、更に加速します。
車両後部左右、ホッパ付近、および運手席にあり、最近ではレバーを廃したリモコン式の車両もあるそうです。
補足
【余った生コンクリートの処分方法】
ミキサー車から排出できる分は生コン工場で固まるのを待ち、ある程度まとめてリサイクル工場へ運ばれます。
ここで砂利、砂、その他に分類され再利用されます。
排出しきれないドラム内に残った生コンクリートは、水洗いします。洗った水に混ざっている砂利、砂は再利用し、セメントなどの微粒分が混ざった水は沈殿物をフィルタープレス等で脱水して、一部はセメント工場で原料の一部として利用されます。